カフェイン虎の巻(前半)


カフェインについて調べるのはもう終わりにしないか?

やあ、紳士淑女のみなさん。
調子はいかがだろうか。

今回のテーマはズバリ「カフェイン虎の巻」だ。

諸君が常日頃お世話になっているだろう ”カフェイン” 。
朝目覚めるため。午前中の発奮のため。お昼のウトウトを防ぐため。午後にリラックスするため…。
そんな毎日のお供である”カフェイン”と今後とも健全に付き合っていく方法を本稿で伝授したい。

以前、「エナジードリンクの魔法を解き明かす」という記事でカフェインを少々取り上げた。
記事は以下から。

エナジードリンクの魔法を解き明かす。(前半)
エナジードリンクと聞いて諸君は何を想像するだろうか? やる気、エネルギー、体力回復といった期待される効果。 プシュッという開放感、ビタミンの染みる味、キリっ...

今回は以下のアジェンダでカフェインを丸裸にしていきたい。
パフォーマンス観点のカフェイン記事の決定版を目指した。

(前半)
・そもそもカフェインとは?

・カフェインの作用 – 集中力と運動能力 – 

(後半)
・どれくらいとっていいの
・カフェインの依存性とは

・シーン別 カフェイン摂取オススメ法

コーヒーでもゆるりと堪能しながら、楽しんでもらえたら幸いだ。
では行こう。

そもそもカフェインとは?

カフェインとコーヒーとは切っても切れない関係だ。

カフェインは元々、ドイツの科学者 ルンゲ氏によってコーヒーから世界で初めて分離された化合物であり、
ドイツ語でコーヒーを意味する  ”Koffee”  に含有されるものという意味で  “Koffe + in”  と命名されたのである。
シンプルイズベストである。

ちなみにコーヒーをフィンランド語では、kahvi(カービィ) と呼ぶ。
なんだか丸々としていそうだ。

 

カフェインの圧倒的突破力よ。

カフェインの大きな特徴は、脳に作用するということだ。

多くの化学物質は、「血液脳関門」という脳のバリアに阻まれて、脳内には入ることを許されない。脳を守るためだ。
だが、カフェインはこの関門を通過し、脳に到達することができるのである。
さながら科学物質界のクセルクセス1世である。
(クセルクセス1世はペルシア軍を率い、ギリシアの峻険な関門、テルモピュライにてスパルタを打ち破り、アテネに侵入した。)

カフェインは「アデノシン」と呼ばれるドーパミンやノルアドレナリンといった興奮性の神経伝達物質の放出を抑える物質と構造が似ている。
よって、アデノシンの働きである「興奮抑制作用」をブロックし、間接的に脳を興奮、覚醒させていると考えられているのだ。

カフェインは接種後、速やかに大部分が吸収され、血流にのり全身に行き渡る。

最高血中濃度到達時間は個人差があるが、30~120分後にピークとなる。
血中半減期を迎えるのが約4時間後とされるが、こちらも個人差があり 2~8時間の幅がある。
(参考:Blanchard J( 1983)The absolute bioavailability of caffeine in man)

以下では、特にパフォーマンスに関与する「集中力」と「運動能力」にフォーカスして研究結果とともに説明したい。

 

カフェイン「はい、集中力と運動能力、目覚めてー!」

まず集中力について。


*ハンドスピナーと以下の研究結果の関連性はない。

米国で実施された、カフェイン摂取直後の認知機能テストによる調査結果では以下の全ての能力がカフェイン摂取の方が、プラセボの飲料よりも高くなる結果がでている。

・単純反応時間
・注意力
・数字作業記憶(反応時間)
・文章照合正確性

カフェインによる計算能力の向上は、カフェイン摂取の約30分後から影響し始め、1時間後にピークに達するとされている。

(参考:  Haskell CF  (2005) Cognitive and mood improvements of caffeine in habitual consumers and habitual non-consumers of caffeine , Loke WH(1988). Effects of caffeine on mood and memory.)

上記は、カフェインを日常摂取している人としていない人の比較であるが、
英国で9,000人近くの健常者を対象とした横断調査が実施された。
結果、カフェインの継続的な摂取量が多いほど単純反応時間が短く、言語記憶も高まっていた。

(参考:Jarvis MJ( 1993)Does caffeine intake enhance absolute levels of cognitive performance?

カフェインが集中力や認知機能に好影響を与えることは事実であることは間違いない。

では運動能力ではどうか。

まず前提として、カフェインが「筋肉のエネルギー代謝を高める」ということでない。
(参考:Graham TE (2000) Caffeine ingestion does not alter carbohydrate or fat metabolism in human skeletal muscle during exercise.)

上述したように、あくまでカフェインは「脳」に影響を与えている。

英国の研究では、1,500m走3回の平均タイムがカフェイン摂取の方が約3秒速くなるという結果がでている。
これはつまり、疲労を感じた際の神経細胞のやり取りにカフェインが関与し、筋疲労を感じる時間を遅くする影響を与える。
結果として持続的に高い運動能力が達成されたというメカニズムなのだ。
(参考:J D Wiles (1992)Effect of caffeinated coffee on running speed, respiratory factors, blood lactate and perceived exertion during 1500-m treadmill running.

疲労感の軽減は分かった。
では、カフェインの筋力への影響はどうなのか。

Yes である。

有名な研究結果として、スクワットとベンチプレスの総負荷量とカフェイン、コーヒーとの関与を解き明かしたものがある。(コーヒー、無水カフェイン、プラセボ、カフェインレスコーヒーの4つで実験。)

結果、コーヒー、無水カフェインを飲んだ場合において、スクワット、ベンチプレスともに有意な総負荷量の増加を示した。


なんと、スクワットにおいては、カフェイン入りコーヒーはプラセボに比べて約3倍近い総負荷量を達成したのである。(すごいな。)
また、カフェイン入りコーヒーは無水カフェインよりも高い総負荷量を示した。これはカフェインは液体摂取の方が吸収率が高くなるのが理由とされている。
(参考:Richardson (2016).Effect of Coffee and Caffeine Ingestion on Resistance Exercise Performance.)

 

いかがであっただろうか。

カフェインが脳に影響し、その結果として集中力や認知機能、運動能力にまで好影響を与えることが理解できたと思う。
それでは、実生活ではどこに注意してどうカフェインを活用していけばよいのだろうか。
続きは後半で説明したい。

カフェイン虎の巻(後半)
カフェインについて調べるのはもう終わりにしないか? 「カフェイン虎の巻」後半だ。 前半はこちらから。 前半の記事では、以下をとりあげた。・そもそもカフェインと...

 

 

1 thought on “カフェイン虎の巻(前半)

コメントは停止中です。